岐阜県のリニア中央新幹線建設促進期成同盟会で総会が行なわれ、リニア中間駅の美乃坂本駅併設もしくは近接をJRに求めるなどの採決を行ないました。

 リニア中央新幹線建設促進県期成同盟会の本年度総会は11日、多治見市東町のセラミックパークMINOで開かれ、中間駅の位置をJR中央線美乃坂本駅(中津川市千旦林)に併設または近接するようJR東海に求める要望など7項目の決議を採択した。

 総会には関係者ら計約300人が出席。会長の古田肇知事は「駅の位置や具体的なルートなど、一つずつ調整や協議を進めるとともに、活用検討ビジョンの検討が必要。県一丸となってリニア実現に取り組みたい」と述べた。

 中間駅の位置については、県内全市町村や経済界などで構成するリニア中央新幹線活用戦略研究会が先に、リニアを活用した戦略を検討する上で重要だとして、在来線との連携から美乃坂本駅に併設・近接すべきとし、期成同盟会を通じてJR東海に申し入れることを決めていた。この日の決議を受けて今後、正式に申し入れる。

 総会決議には、このほか、▽早期着工▽県内各地とを結ぶ在来線でのアクセスの充実▽総合車両所の概要の早期提示と推進―などが盛り込まれた。

 総会に続きJR東海による説明会があり、環境影響評価や技術開発、山梨実験線の延伸工事など、この1年間の経過などが紹介された。

美乃坂本への併設または近接、というのはもう何度も出てきている話題ですので今回は別に取り上げるつもりはありません。
今回注目したいのが「県内各地とを結ぶ在来線でのアクセスの充実」という項目。もう少し具体的な地名が毎日新聞の記事にあがっていました。

 決議は▽乗り継ぎなどの利便性を高めるため、西濃、飛騨、長野県木曽・松本方面などを結ぶ在来線の本数を増やす▽ルートの絞り込みは沿線自治体の意向を十分反映する−−など7項目。

この中で、とりあえず長野県木曽についてはとりあえず問題ないと思うのですが、その他の地域に付いて。

まずは西濃。
厳密には西濃は大垣市や関ヶ原を含む地区で、岐阜市や各務ケ原市などの岐阜地区と呼ばれる地域は含まれないのですが、恐らくここでは岐阜地区まで含むと見てよさそうです。
岐阜県人口の半数以上が住んでいることもあり、この地区からの導線ができればかなり利用者は増えると思われます。
この地区から美乃坂本への鉄道ルートを考えると、1. 東海道線→名古屋→中央線、2. 高山線→美濃太田→太多線→多治見→中央線、の2ルートが考えられます。当然、名古屋ルートであれば名古屋からリニアに乗るということになるため、太多線ルートを考えるわけですが・・・
残念ながら、どう考えても名古屋まで出た方が早いんですね。全線単線・非電化の高山線・太多線を経由する時点で厳しいですし、場所によっては名鉄もあるため、まず美乃坂本という選択をすることはないだろうと思われます。

次に飛騨。
飛騨といえば高山、下呂、白川村と岐阜県の観光の中心地。この地方の鉄道路線は高山線になります。高山線沿線からの美乃坂本への鉄道アクセスは高山線→美濃太田→太多線→多治見→中央線というルートになります。名古屋方面へは特急ワイドビューひだがあります。
また高山線は北は富山まで繋がっており、2014年に北陸新幹線が金沢まで開業すると富山から東京まで2時間20分で結ばれるため、北陸新幹線との競争も出てくると考えられます。
ひだで高山から富山まで1時間半、名古屋までだと2時間半。トータル時間では若干リニアの方が優位ですかね?(美乃坂本の話題からは脱線しましたが・・・)

松本
新宿-松本がスーパーあずさで2時間半、普通のあずさで3時間弱。
松本-長野が1時間20分ぐらい、特急しなのだと50分ぐらい。長野-東京が長野新幹線で1時間半。
しなので松本-中津川が1時間10分ぐらい。
時間では勝負できそうです。問題は料金、と言うことになるかもしれません。

さて、記事中では全く触れられていないのですが、東濃・中濃地区はどうなるのでしょうか。
先日、多治見在住の友人にリニア開通後名古屋と美乃坂本のどちらを使うかと聞いたところ、名古屋と即答されてしまいました。
岐阜県下4位の人口を誇る多治見は確かに名古屋のベッドタウンではありますが、多治見からも名古屋を利用ということになってしまうと美乃坂本の利用者数はあまり期待できないことになります。他にも例えば中濃の可児市も人口が多い都市ではありますが、ここからは名鉄で名古屋に出る方が若干早かったりもして、こちらも名古屋を使う人が多そうです。

人口のかなりの部分が名古屋都市圏に含まれてしまっている岐阜県で、いかにして県内の需要を美乃坂本に向けるか、難しい問題ではあるのですが、誰も利用しない駅にしないためにも、積極的な施策が必要になってきそうです。

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